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ほとんどの臓器に
含まれているケイ素

ケイ素は体内のあらゆる場所に存在しています。ある調べによると、ケイ素はリンパ腺には489μg/g、歯には140μg/g、肺には57μg/g含まれていることがわかっています。(※)

臓器を構成する成分は臓器によって異なるものですが、腎臓、肝臓、すい臓、脳、卵巣、心臓など、あらゆる臓器に多く含まれているのがケイ素です。臓器のほかにも、骨、髪、歯、目、爪など身体のあらゆる部分にケイ素が広く分布しています。そのため、ケイ素は私たちの身体になくてはならない存在であると言えるでしょう。

ケイ素はもともとどこから来ているのか

地球の表面は地殻とよばれるもので覆われていますが、その地殻に含まれている物質で一番多いのは酸素であり、その次に多いのがケイ素です。実に、空気を含まない地質の60%がケイ素でできていると言われています。

土壌に含まれるケイ素は、植物の特殊な酸によって分解され、動物や植物に取り込まれます。ケイ素は食物繊維や種子などに姿を変えますが、動物やヒトに取り込まれると胃腸から体内に吸収され、ケイ素が血管を通って全身をめぐることになるのです。

臓器にケイ素が多く含まれている理由とは

私たちの身体には常に活性酸素が発生しており、その発生量は1日当たり10億個にもなると言います。活性酸素は普段はばい菌や細菌などから身体を守る役目を果たしていますが、紫外線やストレス、喫煙など何らかの原因で活性酸素が増えすぎてしまうと、正常な細胞まで攻撃するようになります。

血液中に活性酸素が大量に存在していると、血管が酸化してドロドロ血になり、動脈硬化を引き起こしやすくなったり、お肌のトラブルが起きたり、爪がぼろぼろになるなど、身体のあらゆる場所に不具合を生じさせます。

そこにケイ素を取り入れると、その抗酸化作用でそのような状態を改善する効果が期待できるでしょう。一説によると、ケイ素は活性酸素により臓器が酸化して機能不全に陥らないようにするために、あらゆる臓器に含まれているのだと言われています。ケイ素のはたらきから考えると、この説は一理あると言えるのではないでしょうか。

ドイツのある化学博士が「ケイ素は(中略)生命維持に不可欠なものである」と述べているとおり、ケイ素は私たちの身体のあらゆる部分を酸化から守ってくれている存在です。しかし、ケイ素は身体の中にためておくことができず、1日10~40mg程度は体外に排出されてしまいます。そのため、日ごろからケイ素を意識的に摂取するよう心がけることが大切です。

(※)参考:細井睦敬『再生医療を変革する珪素の力』(コスモ21、2013年)pp.59