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現代人の身体に不足しがちなケイ素

現代の日本では食の欧米化が進み、食べ物から摂取できるケイ素の量が減少しています。ケイ素は食事の中で取り入れることができればベストですが、具体的にはどのような食べ物を食べたらよいのでしょうか?

日本のかつての食生活とは

江戸時代の日本には士農工商の身分制度がありました。農民が順位の上では2番目だったものの、作ったお米は年貢として江戸幕府に納めなければならなかったため白米が農民の口に入ることは少なく、貧しい生活を送っていました。

当時、田舎の農民が食べていたものは麦やあわ、ひえなどの雑穀やみそ汁、漬物などの質素なものです。一方、江戸に住む町民は白米が食べられるような豊かな生活を送っていましたが、ビタミン不足で脚気になる人が多く、江戸だけの奇病として「江戸わずらい」と呼ばれ恐れられていました。

第二次世界大戦後、洋食が普及

江戸末期に鎖国が終わり、明治時代に入ってから文明開化が叫ばれて、欧米の食文化が徐々に日本に流入してきます。しかし、洋食はまだ一部の富裕層だけが食べられる贅沢なものであり、大半の農民は昔と変わらず一汁一菜の質素な食生活を送っていました。

第二次世界大戦後、アメリカのGHQの占領政策により、パンや牛乳(脱脂粉乳)が学校給食で食べられるようになり、一般家庭でも急速に食の欧米化が進むことになります。その結果、80年代ごろから糖質や脂質の摂りすぎによる動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病の問題が生じるようになってきたのです。

ケイ素が不足しがちな現代の食生活

現代では食の欧米化が進んでパンや肉の消費量が増え、お米や魚の消費量が減っています。さらに、現代の人々は忙しい毎日を送っているため手軽に食べられる加工食品やインスタント食品を利用する人も多く、慢性的にケイ素を含むミネラルの摂取量が不足している状態です。

ケイ素は体内にため込んでおくことができず、尿や汗とともに体外に排出されてしまう物質です。ケイ素不足になると、血行が悪くなる、骨がもろくなる、抜け毛が増えるなど身体の不調を引き起こしてしまいます。また、体内のケイ素は年齢とともに減少してしまうものなので、ケイ素を毎日の食事の中で取り入れる必要があるのです。

ケイ素を食事に取り入れるには

ケイ素は土の中に多く含まれているため、土の中で育った作物に多く含まれていると言えます。具体的には、玄米やあわ・ひえ・きび・麦などの雑穀類やじゃがいも、にんじん、とうもろこし、かぼちゃなどが、ケイ素を多く含む食べ物として知られています。

また、海藻類にもケイ素の含有量が多いと言われています。そのため、ひじきやわかめ、昆布、あおさ海苔などを多く摂るようにするとよいでしょう。

私たちの身体は、1日あたり10mgのケイ素を必要としています。この量を毎日の食事ですべて摂ることが理想ではありますが、摂取できない分は水溶性ケイ素のサプリメントなどを利用しながら上手に補うとよいでしょう。