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ケイ素で虫歯・歯周病予防ができる?
歯磨きは、一生自分の歯で食事ができるようにするためにとても大切な習慣です。昨今では、虫歯・歯周病予防の「予防歯科」の分野に力を入れる歯医者さんも増えています。そのような風潮もあるためか、歯ブラシだけでなく、フロスや洗口液、歯磨き粉など、さまざまな種類のオーラルケア用品が市場に出回るようになりました。
今回は、そんなオーラルケア用品とケイ素の関係について見ていきたいと思います。
歯磨き粉に含まれているケイ素
市販されている歯磨き粉には、ケイ素の酸化物である「無水ケイ酸」または「二酸化ケイ素」という成分が含まれているものが多くあります。これらは硬度が高いため、研磨剤や増粘剤として歯磨き粉に配合されています。
無水ケイ酸や二酸化ケイ素に殺菌力などはありませんが、歯を穏やかに磨き上げるために有効な成分であると言われています。
歯のエナメル質にはケイ素が豊富に含まれている
歯は大きく分けて、エナメル質・象牙質・歯髄の3つの層から構成されており、歯の表面を覆っているエナメル質には、ケイ素が豊富に含まれていることがわかっています。
そのケイ素の量は、人体組織内でのケイ素の量としてはリンパ節に次いで2番目に多く、140μg/gにもなると言われています。(※1)
歯の詰め物にも使われるケイ素
また、虫歯の治療などに使われる歯の詰め物である「コンポジットレジン」と呼ばれる物質にも、実は二酸化ケイ素が含まれています。コンポジットレジンを構成している物質の中では、二酸化ケイ素が60~90%もの割合を占めています。(※2)
ケイ素が多く含まれる歯のエナメル質の部分に使う詰め物に、同じケイ素の酸化物である二酸化ケイ素を使用することは、歯との親和性を考えてのことなのかもしれません。
水溶性ケイ素をつけて歯を磨く
歯磨き方法のひとつとして、歯磨き粉の代わりに水溶性ケイ素を歯ブラシに垂らして磨く方法もあります。水溶性ケイ素には、洗浄力だけでなく殺菌力もあるので、単にお口の中の汚れを落とすだけでなく、虫歯菌や歯周病菌などの細菌を除菌するはたらきがあります。そのため、虫歯や歯周病、口臭予防にも効果が期待できると言えるでしょう。
外出先で食事をしたときなど、歯磨きをするのが難しい場合には、水溶性ケイ素を数滴入れた水で口をゆすぐだけでも効果がありそうですね。
水溶性ケイ素は、健康維持のために飲み物や食べ物に入れて摂取するだけでなく、お口の中のケアをするのにも使えるアイテムであることがわかります。歯や歯ぐきを清潔に保つためのオーラルケア用品としても、水溶性ケイ素を使用してみてはいかがでしょうか。
※1:山野井昇『ケイ素でキレイになる! 海外セレブが愛用する「美のミネラル」』(現代書林、2016年)pp.67
※2:小田豊「『どんな材料で治療するの?』 : 安心・安全のための歯科材料の知識」pp.48