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漢方薬にも
ケイ素が入っているって本当?

何かの病気などで病院にかかると、たいてい薬を処方されますが、そこで出される薬はある特定の疾患や身体の一部分だけを治すための対症療法的なものが中心です。

一方、漢方薬は、病気の原因や具体的な症状などを含め身体全体の状態をとらえ、本来身体に備わっている自然治癒力を高めることを目的とするものです。

そもそも「漢方」とは?

「漢方」と聞くと、その言葉の響きから「中国のもの」というイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。確かに、漢方は中国から伝えられた医学の知識をベースにしたものではあります。しかし、実は漢方はそのような医学的知識を利用して日本人の体質や日本の風土に合わせて独自に発展してきた医療のひとつなのです。

植物や動物、鉱物には「生薬」と呼ばれる薬効成分を持つものがあり、それらを個々人の症状の程度や身体の状態に合うように調合して作ったものが「漢方薬」と呼ばれるものです。

漢方薬の飲み方

漢方薬は顆粒や散剤、丸剤などさまざまな形状のものが市販されていますが、漢方薬を飲む方法のひとつに、「煎じ薬」と呼ばれる方法があります。

これは生薬を水とともに鍋や土瓶に入れ、長時間かけて生薬に含まれる成分を煮出して、その煮汁を飲む方法です。この「煎じ薬」は、漢方薬の薬効を最大限に引き出すことのできる飲み方であると言われています。

生薬にはケイ素が含まれているの?

植物には食物繊維が含まれており、その食物繊維の中にある細胞壁を構成する物質の中にケイ素があります。食物繊維は非常に丈夫にできていますが、食物繊維を含む食べ物を長時間かけて煮込むことでケイ素が煮汁に溶け出して、水溶性ケイ素を飲むのと同じ効果が得られます。

生薬もほかの植物と同様に食物繊維が含まれており、その成分の中にケイ素も入っています。そのため、煎じ薬を作る際に生薬を煮出すことで、生薬の中に含まれているケイ素が溶け出すため、その煎じ薬を飲むことで薬効成分とともに水溶性ケイ素も摂取することができるのです。ケイ素にも身体の中の必要な部分に健康効果をもたらす作用があるため、生薬の成分とともに体内に取り入れられれば相乗効果が期待できる可能性があるかもしれません。

遠い昔の時代に中国や日本に住んでいた人々が、ケイ素の効能について知っていたかどうかはわかりません。しかし、薬効成分のある植物を見つけ出し、それらを煎じて飲むことでさまざまな心身の不調の改善に効果があることを発見した先人たちの知恵は、すごいものだと言えるのではないでしょうか。

<参考文献>
漢方薬師堂「漢方薬とは」

タケダ健康サイト「「漢方」を知ろう ~入門篇~」