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命を脅かす
キラーストレスとは?

私たちは生きている以上、何かしらのストレスを感じています。
ストレスの要因は、日常のささいなことから大きなライフイベントまで、さまざまなものがありますが、蓄積されたストレスは、やがて「キラーストレス」へと変貌し、私たちの命を脅かすことになるかもしれません。「キラーストレス」とは、いったいどんなものなのでしょう。

ストレスとは
ストレスという言葉は工学的な用語からきています。
たとえば、ボールに力を加えた場合、形が変形しますよね。それと同時にボールには元に戻ろうとする力が生じます。このボールを変形させようとする力がストレッサーで、元に戻ろうとする力がストレスになります。
ストレスは一見悪いものと思いがちですが、生きていく上で自分自身の体を守るために不可欠なものなのです。
しかし、「キラーストレス」へと変化した場合はどうでしょう。

ストレスの要因(ストレッサー)になるもの
物理的な要因  体感温度、騒音、人混みなど
化学的な要因  薬物、公害など
心理的な要因  職場、家庭の人間関係など
社会的要因   不安、焦り、劣等感など
身体的要因   痛み、疲労感など
一般的に、ストレスの要因(ストレッサー)も含めたものを「ストレス」と呼んでいます。 

ストレス反応
私たちの体は、不快な刺激(ストレッサー)を受けた場合、ストレス反応を起こします。ストレス反応とは、外からの刺激に対する身体の反応のことです。ボールで例えるなら、ストレッサーによって凹んだ状態のことをいいます。

そのメカニズムは、まず脳の扁桃体が視床下部に「不快な刺激に対処するように」との指令を出します。その後、その指令が副腎に達すると、副腎皮質ホルモン(コルチゾール、アドレナリン、ノルアドレナリン)が分泌されるのです。これらのホルモンは、ストレスを受けると分泌量が増えるため、ストレスホルモンと呼ばれています。
また、扁桃体は自律神経にも指令を出し、ストレスホルモンが血液中に放出されると、私たちの体にさまざまなストレス反応を引き起こすのです。

そして、慢性的にストレス反応が継続することで、ストレスは「キラーストレス」に豹変していきます。

ストレスと病
私たちの体は、ストレスにより免疫機能が抑制され病気に罹りやすくなります。過剰なストレスホルモンによる病、慢性的な交感神経の興奮による病には以下のようなものがあります。
 
高血圧症、脳梗塞、心筋梗塞、大動脈破裂、生活習慣病
(交感神経の興奮により血圧が上昇、血管に負担が掛るため)
 
うつ病
(ストレス反応が慢性的になると、コルチゾールが過剰に分泌され、海馬の神経細胞が破壊されてしまうため)

癌 
不眠症、睡眠障害 
胃炎、十二指腸潰瘍、胃潰瘍

生きていく上で避けられないストレスですが、いくつものストレスが重なり合ったとき、「キラーストレス」となり、私たちの命を奪ってしまうかもしれません。そんな状況を回避するために、自分は日頃どんなストレスを抱えているのかストレスチェックをし、自分自身を知ることが大切になってきます。手遅れになる前に、ストレスとの付き合い方を見直していきたいですね。