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キール大学の実験
シリカでアルミニウムが
除去される?

シリカ(=ケイ素)は、美容や健康に関わる様々な分野において注目されている成分ですが、
最近では、研究が進み、病気についても一定の効果をもたらす可能性があることがわかってきました。今回は、実際にキール大学が行ったシリカの実験と併せてその特性をみていきましょう。

シリカとはどういうもの?

シリカ、つまりケイ素は、人間の皮膚や毛髪、骨などにも含まれ、コラーゲンの生成にも役立つといわれています。特に皮膚に多く存在するため、美容効果が期待され、海外のセレブにも人気ですが、そんなシリカが様々な病気にも良い影響があると考えられているのです。中でもシリカに体内のアルミニウムを除去する働きがある可能性を示唆したキール大学の実験結果は興味深いものがあります。

人間にとって有毒なアルミニウムを除去するシリカ

アルミニウムは、アルツハイマーやパーキンソン病、多発性硬化症などの難病の一因だと疑われている物質です。また、アルミニウムは、私達が食べる食材にも含まれており、知らず知らずのうちに体内に取り込まれています。特に脳に蓄積されると脳神経に悪影響を及ぼすこともわかっており、言語障害や認知機能の低下などの症状が出るといわれています。

イギリスのキール大学は、そんなアルミニウムを体内から除去する方法としてシリカに着目し、特に、シリカを含んだ飲料水の有効性について研究を重ねてきました。

アルミニウムに対するシリカの有効性とは

<シリカを含んだ水による臨床実験>
ある実験で、被験者達にシリカを豊富に含んだ水を毎日1リットル飲んでもらったところ、尿によってアルミニウムが体外に排出され、体内のアルミニウムの数値が減少することがわかりました。
(※1週間で70%にまで、12週間にわたって減少)

<シリカがアルミニウムを排出するメカニズム>
この結果は、シリカのある性質によるものと考えられます。
水溶性であるシリカは、摂取した後、血液中のヒドロキシアルミノシリケートと結合します。
このシリカと結合したアルミニウムが、腎臓で尿としてろ過されやすい性質を持つため、尿を介してのアルミニウムの排出が増加したと感がられるのです。

認知機能の改善とシリカ

アルミニウムが、アルツハイマーの根本的な原因であることは確認されていませんが、冒頭で述べたように、少なくとも、脳神経に関係する症状をもたらすことはわかっています。
実際、アルツハイマーの患者が、12週間にわたってシリカが豊富な水を飲んだところ、認知機能が大幅に改善されたという報告もされており、これはシリカが体内のアルミニウムを除去したことによるものと考えられます。

シリカによる認知機能の改善が望めるのであれば、アルツハイマーに限らず脳神経に関する病気で苦しんでいる人々の治療としても期待できるというのも夢ではないかもしれません。

シリカは、人間の体内では生成することができないため、体外から摂取しなければなりません。
そのため、日常的にかつ簡単にシリカを摂取することができる、シリカを含んだ飲料水に大きな期待が寄せられており、イギリスではすでに有名飲料メーカーのボルヴィックなどがシリカ入りのミネラルウォーターを販売しています。

シリカは、美容や健康、病気の治療など様々な分野で今後も活用されていくかもしれません。
どんな、活躍振りを見せるのか、ぜひ注目してくださいね。

キール大学 有機化学教授Chris Exleyによる記事を参照
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