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ストレスが関係する
心の病気「うつ病」について
「うつ病」はいろいろなことが複雑に絡み合って起きる心の病気です。その中で、ストレスは、うつ病を引き起こす大きな要因のひとつだといわれています。どのようにストレスがうつ病に関係しているのかをまとめてみました。
ストレスがうつ病を引き起こす?
私たちの周りには、さまざまなストレスがあり誰もがうつ病を発症する可能性があります。
どのようなストレスがきっかけとなり、うつ病を発症するのでしょう。
・ストレスを受けやすい性格
まじめ、几帳面、正義感が強い人は、うつ病になりやすいといわれています。このような人は、完璧に物事をこなせるように頑張るため、ストレスを慢性的に抱え込むからです。
・年代別、性別によるストレス要因
ストレス要因は年齢や性別でも異なってきます。
女 性: 夫婦関係や親の介護などの家族内の問題が要因となることが多い
男 性: 職場や経済的な問題のストレス
若 者: 受検や就職などの転換期によるストレス
高齢者: 身体的衰えによるストレス、配偶者との死別、現役引退などの孤独感や喪失感
・喜ばしこともストレスに
また、結婚、出産、栄転、家の新築などの喜ばしいライフイベントがストレスになり、うつ病を引き起こすこともあります。
うつ病は、その人がおかれた環境の変化によるストレスが大きく関係する病気なのです。
・体の病気によるストレス
体の病気による不安、痛み、入院、手術などがストレスとなり、うつ病を引き起こすことがあります。うつ病を誘発しやすい病には、がん、心筋梗塞、認知症、糖尿病などです。
このような場合には、体の病気と心も一緒にケアしていくことが必要になってきます。
・気が付かないストレス
何がきっかけでうつ病になったのか分からない方も少なくありません。
このような人は、日々の小さなストレスが積み重なり、大きなストレスへと成長した結果、うつ病を引き起こすと考えられます。
うつ病は脳の病気でもある
「うつ病」はストレスによって引き起こされる「心の病」ですが、「脳の病気」とも呼ばれています。なぜなら、うつ病は脳内の神経伝達物質セロトニンとノルアドレナニンが関与していると考えられているからです。
ノルアドレナリンが分泌されると、血圧や心拍数が上がります。ノルアドレナリンは通常、私たちの状態に応じてバランスよく機能していますが、ストレスの影響を受けるとそのバランスが不安定になり、神経症やうつ病につながる可能性があるのです。
また、セロトニンはノルアドレナリンとドパミンを調整する役割をして、脳(精神)を安定した状態に保つ働きがあります。セロトニンがストレスにより減少すると、ノルアドレナリンとドパミンのコントロールが難しくなり、パニック障害やうつ病などを引き起こすこともあるといいます。
つまり、うつ病の症状は、この感情を左右する神経伝達物質が正常に働いていない状態といえます。ちなみに、治療に使われる抗うつ剤は、神経伝達物質を本来の機能に戻すための薬なのです。
うつ病に早く気付くことが大事
うつ病は早い段階で気付くことが、今後の治療の上でもとても大事になってきます。うつ病になると食欲や睡眠欲が低下してくるので、ご自分の「食欲」や「睡眠」に何か思いあたる点はないか、客観的に見てみましょう。また、本人だけでなく、ご家族や友人など周囲の方が気付いてあげることも、とても大切なことです。
うつ病を防ぐためにも、自分のストレスと向き合い、ストレスをためないような工夫や、ストレスコントロールについて考えてみてください。もし、うつ病の自覚症状があるときは、早めに受診しましょう。